私の愛器のヴァイオリン
1991年製作【サムラゴーチヴァリウス】
まだ若い楽器なんだけど
小道具としていい味出すのよ
久しぶりにケースを開けてみたら
弦が伸びきっているじゃない
「セバスチャン?セバスチャン?」
執事のセバスチャンを
呼んでみたけど来ないわ
今までは
セバスチャンかお抱えの楽器商に
やってもらっていたんだけど・・・
そうねぇ
私ももうすぐ50歳
楽器のメンテナンスくらい
自分でやらなくちゃね
まずは
指板に張ってた「初心者用シール」剥がして
と。
シール跡がベタベタするわね
拭かなきゃね!
ピアノのお掃除用の
シリコンポリマーで拭いちゃお!
もしかしたら
シリコンで指の滑りが良くなって
ヴィブラートがかかるようになるかも
ええぃ、全部、弦を外してしまえ~
あり~
駒が倒れた~
テールピースをはめてた部品も
どっか飛んで行った~
ヤバい~
3時間かけてなんとか完了したわ
うん、ぱっと見
ちゃんとヴァイオリンに見えるから
多分、大丈夫
弾いてみよ
そうねぇ
まずはシャンソンの名曲
“Ah! Vous dirais-je, Maman”
がいいわね
私、日本の音楽事情に疎いんだけど
日本では
確か・・・
”キラキラ星”
って言われてるみたいね
あら
時々、が首をしめられているような
音がするわ
ヴァイオリンの中にが入ってるかと思って
覗いてみたけどいなかったわ
サムラゴーチヴァリウス
ちょっと気難しい所あるから・・・
フフッ
新しい弦とまだ馴染めないのね
そうそう、私のヴァイオリン
以前「製材所にいるみたい」と
素敵な感想を頂いたのよ
材木からにわとりへ
分類を超えた変化は大きいと思うの